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PUTON 2008/08/05

暗渠は地面の中の機構です。ですから、意匠デザインの意味で暗渠をデザインするのはちょっと変ですね。しかし、私の場合は、暗渠を設けたことが庭のデザインに大きく影響しました。

当初のプラン図では、水の溜まる部分は石やタイルのテラスをイメージしていました(既出図)。でも、よく考えると、このような作りのテラスがとくに排水に向いているとは思えませんでした。そこで、テラスはやめて、暗渠の表面にバラスを敷き詰めることにしました。バラスの上に降った雨は石の隙間を流れ抜けて、一気に粘土層に流れ込みます。しかし、広い面積にバラスを敷き詰めたのでは、歩きにくいうえに、見た目もよくありません。

そこで、バラスを多用しても問題がなさそうな方法として、バラスで格子を構成することしました。これはおそらく、「スタイリッシュな庭」を自問したころ白黒の邦画に凝っていたせいです。映画に写る伝統的な日本建築や侍の立ち居振る舞いに見られる、直線的でシンプルな意匠の影響を受けたに違いありません。それに、伝統的な格子模様なら、おおきな間違いもないだろうという思いもありました。

地面にバラスで格子を組むとなると、バラスを保持する何らかの枠が必要になります。枕木、石、レンガなども考えましたが、これらの部材だとどうしても格子がスッキリ整然と組めないような気がしました。格子がぐにゃぐにゃでは格好がつきません。そこで、コンクリートで列柱を作りその間にバラスを入れれば、歩きやすく排水もよい、しかも整然とした格子ができるだろうと考えたのです。

この、暗渠とコンクリート格子のアイデアが、このあとたいへんな難工事になろうとは、この時点ではまったく想像していませんでした。

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